語集

「さ行」の接着用語集

 

「さ」から始まる接着用語

再活性接着|reactivation; reactivated adhesion

被着体に塗布された接着剤が乾燥し、タックの消失した状態で、湿らせるか、または加熱することによって再び粘着性を発現させ、接着すること。
関連用語:熱再活性化溶剤再活性化接着
 


再湿性接着剤|remoistening adhesive

常態では粘着性を示さないが、水で湿らせると粘着性を示して接着できる接着剤。
再活性接着のうち、湿気により再度接着性を発現する接着剤のこと。アラビアゴム、カゼイン、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸塩などの水溶性高分子物質を紙などの裏面に塗布して乾燥させ用いる。溶解を早くするために、エチレングリコール、グリセリンなどの湿潤剤を添加して、切手、シール、包装テープ、ラベルなどに使われている。
 


サイジング|sizing; size

接着剤もしくは塗料の浸透防止、もしくは接着性の改善を目的として行われる表面への前処理および前処理剤のこと。
紙の場合、紙の水にぬれやすい性質を改善し、あるいはインキのにじみを防止するため、撥水性または耐水性物質を沈着させることをいう。内部サイズと表面サイズがあり、前者は紙をすく前に、ビータなどでロジンやワックスなどを添加してからすく方法、後者は紙の表面に、にかわ、デンプンなどを塗布する方法である。サイズ剤の保持量を増すため、通常はミョウバンを加える。また単に紙の耐水性を向上させることをいう場合もある。繊維工業の場合、のり(糊)付けのことをいう。木材の場合、木材中への接着剤または塗料の過剰浸透を防止し、欠こう(欠膠)をなくすため、木材表面の孔隙を充てんする前処理をいう。
=サイズ、サイズ剤
関連用語:プライマー
 
 

最低造膜温度|minimum film forming temperature

エマルション形塗料あるいは接着剤を被着材に塗布したとき、粒子が融着して連続した皮膜を形成することのできる最低温度。
高分子のガラス転移温度(Tg)と密接に関連している。試験方法はJIS K6828-2などに規定されている。
=MFT
関連用語:エマルション形接着剤
 
 

材料破壊|material failure; adherend failure; substrate failure

被着体の内部で生じた破壊。
試験表などではMFと表記される。 
=被着材破壊、被着体破壊、基材破壊
関連用語:界面破壊凝集破壊
 
 

鎖状高分子|linear polymer

高分子の中で、枝分かれ、橋かけすることなくモノマー単位が互いに結合してできる高分子。
長い主鎖と短い側鎖からなる。二官能性モノマーの重合によって生成する高分子は一般に鎖状高分子である。高密度ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリビニルアルコールなどのビニルポリマー、縮合重合により得られるポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミドなどの合成高分子、セルロース、タンパク質など多くの天然高分子が当てはまる。
=線状高分子、直鎖高分子
 
 

酸化防止剤|antioxydant; antioxidizing agent; oxidation inhibitor

高分子材料や接着剤の加工段階、もしくは硬化過程などで、酸化によってその性質や構造が変化するのを防止するための安定剤。
酸素による高分子の劣化では、最初にラジカルが発生し、これに酸素が作用してパーオキシラジカルが形成される。さらに連鎖中のHとの反応によりこれがハイドロパーオキサイドとなり、劣化が進行する。これを防止するために最初のラジカルに水素を与えて不活性化するフェノール、ハイドロキノン誘導体、アミン類などのほか、ハイドロパーオキサイドと反応する硫黄またはリンの化合物が酸化防止剤として使用される。
=酸化禁止剤、抗酸化剤
関連用語:老化防止剤安定剤
 
 

サンドイッチ構造|sandwitch structure

薄く強い2枚の板を上下面に置き、その間に軽量の芯材を接着した構造。
上下板には金属板、強化プラスチックシートなどが用いられ、芯材には蜂の巣状のハニカム、バルサもしくは発泡プラスチックなどが用いられる。軽く、強度があり、剛性はきわめて高く、座屈に強い特徴を示す。航空機、車両、建築材料などに広く利用される。 
関連用語:ハニカム構造
 
 

サンドブラスト|sandblast

砂などの研磨材を吹き付けて表面を清浄にすること。
塗装、ライニングをする場合の表面処理の一つの方法。 
関連用語:ウェットブラストグリットブラストショットブラストライニング表面処理
 
 

酸捕捉剤|acid-acceptor

酸と反応することで連鎖反応や分解を停止させる目的で添加する安定剤。
ポリ塩化ビニル(PVC)は熱または光によって分解するとき塩化水素(HCl)を発生するため、あらかじめPVCに練り込んでおくことで分解時に生成するHClと反応させ、HClがPVCに与える影響を抑制する。また接着に関しては、強酸域で硬化する接着剤において、残留した未反応の強酸硬化剤が接着界面を劣化させ接着耐久性を悪くする。この際、硬化剤と反応あるいはその影響を緩和するアルカリ性の無機材料(たとえばガラス粉末)をあらかじめ添加しておくと接着耐久性が向上する。
関連用語:安定剤
 
 

残留応力|residual stress; internal stress; frozen-in stress

材料の成形・加工の際に生じた残留ひずみによって材料内部に生じた応力のこと。
成形・加工時の圧力や温度の不均一によって発生する。接着剤などの異種材料を組み合わせて使用する場合、各材料間の熱的性質や膨張係数の差に起因して成形以外の熱履歴によっても発生する。接着あるいは付着力低下の誘因の一つとされている。接着の実用性や信頼性の面から残留応力はできるだけ少なくするのが望ましい。なお、材料を降伏点以上に変形させると、材料の塑性変形によって残留ひずみが生じるが、このようなひずみは永久ひずみと呼ばれ、ここで述べた残留ひずみとは区別されなければならない。
=内部応力、凍結応力
関連用語:線膨張率
 
 

残留ひずみ|residual strain

物体が外力によって変形するときに、外力がその物体の弾性限界を超え、その後外力を除去しても塑性変形分として残るひずみのこと。
しかし、接着、積層、塗装、複合材などの異種材料を組み合わせて使う分野では、温度変化や化学反応に伴う材料の収縮(膨張)が異種材料間の接着で妨げられることによって、界面近傍に生じたひずみを残留ひずみと呼ぶことがある。この場合の残留ひずみは、必ずしも塑性変形によるひずみを意味しないことに留意する必要がある。
=塑性ひずみ
関連用語:永久ひずみ
 
 

三量体|trimer

エチレン結合、アセチレン結合、カルボニル結合などの反応性をもつ化合物が3分子重合して生成する化合物。
トリマーの分子量は最初の化合物(単量体)の3倍となっている。パラアルデヒドはアセトアルデヒドの三量体である。また、ホルマリンの三量体はトリオキサンといい、γ線照射の固相重合により高分子化合物であるポリオキシメチレンとなる。
=トリマー
関連用語:単量体二量体オリゴマー





 

「し」から始まる接着用語

シアノアクリレート系接着剤|cyanoacrylate adhesive

メチルシアノアクリレートが空気中または被着体からの微量の水分によって重合し、短時間でかなりの接着強さを示す接着剤。
実用に耐えうる接着強さが発現するのは普通1分前後であるが、普及のために用いられた「瞬間接着剤」という呼称がそのまま定着した。一般的には耐熱性は低く、硬く、もろい傾向をもつ。しかしエステルの形を変えたり、種々な配合を行ってこの欠点はかなり是正されている。短時間の接着が可能なために、光学機器、電気機器から外科的な縫合に至るまで広い応用面が開拓されている。 
=シアノアクリレート接着剤
関連用語:瞬間接着剤
 
 

シェルフライフ|shelf life

接着剤を既定の条件下で保存したとき、その品質が使用に支障をきたさない期間のこと。
接着剤や塗料などを長い期間貯蔵すると可使時間などに影響するため、シェルフライフは原料樹脂の適正在庫量を決める際に重要である。通常、接着剤ごとに保存条件と併記して有効期限または品質保証期間としてメーカーから示される。
=貯蔵寿命
関連用語:貯蔵安定性
 
 

紫外線硬化型接着剤|ultraviolet curable glue; UV curing adhesive

紫外線を照射することによって硬化する接着剤。
紫外線を照射することで短時間に硬化できる。一液・室温硬化型であることが多い。高い透明性を持つものが多く、光学部品・ガラスの接合などに広く利用されている。接着面に紫外線が届かないと硬化が開始しないため、金属同士の接着などには一般的に不向きであったが、嫌気硬化性、加熱硬化性、湿気硬化性など他の硬化機構との複合化や、指触乾燥時間を持たせたり接着力の立ち上がりを遅らせたりすることなどにより紫外線の当たらない部品の接着へも適用範囲を広げている。
=UV硬化型接着剤、UVA
関連用語:光硬化型接着剤ラドキュア樹脂
 
 

支持体|backing; base material; face stock

粘着テープまたは粘着シートにおいて粘着剤を支える基材のこと。
 
 

支持体つき接着フィルム|supported adhesive film

接着剤層の中にガラス繊維または有機繊維などの支持物を含むフィルム状接着剤。
一般に接着剤の層が厚くなれば接着強さは低下するが、支持体つきフィルムの場合はその傾向が少なくなる。これは支持体層(特にクロスなど)が強化プラスチックにおける補強材と同様の働きをするためと考えられている。
=支持体つき接着剤、支持接着フィルム、支持接着剤フィルム
関連用語:フィルム接着剤
 
 

C状態|C stage

熱硬化性樹脂の反応の最終段階の状態。
反応がA状態、B状態と進み完全に硬化して、不溶、不融性の三次元構造の状態をいう。フェノール樹脂におけるレジットの状態である。
=Cステージ
関連用語:A状態B状態
 
 

指触乾燥|tacky dry; tack free; set to touch

塗装後、塗膜に指先を軽く触れると粘着性は感じるが、塗料が指先につかない程度の乾燥状態のこと。
さらに乾燥が進んで指先で押しても塗膜に指跡が残らない状態を硬化乾燥(print free、 dry hard)という。揮発性成分の蒸発または被着体への吸収によって接着剤が良好な粘着状態になったときの状態を指すこともあるが、こちらはドライタックと呼ばれることもある。
関連用語:タック粘着保持時間ドライタック
 
 

自着|autohesion

同種あるいは異種高分子同士が、接着剤を介することなく接触させて放置しておくだけで接着する現象。
ゴム工業ではこれを粘着と称している。タイヤ、ベルト、ゴム履物など複合ゴム製品の製造においては、配合ゴム生地が加硫する前に十分に自着していることが必要で、天然あるいは剛性の粘着付与樹脂(tackifier)を配合して粘着性を向上させる。自着現象は、界面における高分子鎖の拡散により発現する。
関連用語:粘着付与剤ブロッキング
 
 

湿潤強度|wet strength

一般には水または他の液体で飽和した繊維、糸、織物、紙などの材料の強さのこと。
乾燥状態の強さと比較して表される。接着の場合は湿潤接着力や湿潤接着強さといわれ、一定温度、圧力、時間の条件のもとで水中に浸漬された後、取り出された直後に決定される接着力である。なお飽和湿度空気中に放置された場合の接着力も含まれる。試験方法はJIS K6857などに規定されている。
=湿潤接着力、湿潤接着強さ
 
 

しみ出し|bleeding; bleed; bleed out

プラスチックなど高分子材料の表面に、配合された材料の一部(相溶性の低い成分)がしみ出してくる現象。
しみ出してくる材料は溶剤、可塑剤、滑剤、着色剤、抗ブロッキング剤など様々である。プラスチック製品、ゴム、繊維、接着剤、塗料などに共通して見られる現象である。ブルーミングも類似の現象である。接触する他の材料に可塑剤などが拡散、浸透する場合もブリードと呼ばれる。
=ブリード、ブリードアウト
関連用語:ブルーミング
 
 

重合|polymerization

単量体あるいはそれ以上の単位物質の分子が化学的に結合し、高分子化合物を生成する化学反応の総称。
 
 

重合禁止剤|inhibitor

光や熱の影響などによって重合反応を起こしやすい物質が貯蔵中に重合してしまうのを防ぐために、添加して重合反応を停止させる試薬のこと。
ラジカル重合性をもつ単量体は、純粋な状態で放置すると自然重合するので保存のために添加することが多い。単量体から発生したラジカルと速やかに反応して、ラジカル性を消失させることにより安定化させ、重合を防止する物質を特にラジカル禁止剤といい、安定化ラジカル化合物などが用いられる。重合禁止剤を添加しても徐々に消費されてしまうので、ある期間(誘導期間)を過ぎると自然に重合が開始される。すなわち、重合禁止剤が消費しつくされるまでは反応が起こらず、誘導期間を超えてから反応が開始する。
=禁止剤、インヒビター、重合防止剤
関連用語:開始剤ラジカル重合
 
 

重合促進剤|polymerization accelerator

自体は重合能をもたないが、開始剤と併用することで重合速度を増加させる物質。
例えばレドックス系における還元剤などがこれに相当する。また不飽和ポリエステルなどの場合、架橋剤のスチレンと過酸化物触媒による重合が、ナフテン酸コバルトやジメチルアニリンなどの添加により著しく促進される。 
関連用語:促進剤
 
 

重合体|polymer

1種またはそれ以上の構造単位を繰り返して結合した高分子量化合物。
基本構造単位が1種類のときは単独重合体(ホモポリマー)、2種類以上のときは共重合体(コポリマー)という。
=重合物、高分子物質
関連用語:ポリマーホモポリマー共重合体
 
 

重合度|degree of polymerization

単量体の繰り返しで重合体が構成される場合の、重合体中の単量体の数。
高分子(重合体)は一般に単一の分子量の化合物ではなく、重合度の異なった分子の混合物である。それゆえ、平均重合度(P)で表す。特別なイオン重合法では単一の分子量をもつものを得ることができる。
 
 

重合抑制剤|retarder

一種の重合禁止剤であるが、重合停止能力の弱いもの。
重合抑制剤の場合は重合禁止剤とは違い誘導期間がなく、初期から遅い速度で重合が進行する。M-ジニトロベンゼンなど多くのニトロ化合物は重合抑制剤として用いられる。また酸素も多くの場合、抑制効果を示す。配合ゴムに少量添加しただけで加硫速度を遅延させ、加硫開始の早過ぎを抑制する物質は加硫遅延剤という。写真乳剤のハロゲン化銀粒子の生成、発生を抑制する物質は抑制剤(restrainer)という。
 
 

集成材|laminated wood

多数の木片を厚さ、幅および長さの方向に接着剤ではり合わせて1枚の板にしたもの。
 
 

充てん材|filler

接着剤の作業性、耐久性、接着強さなどの性質を改良するために添加する不活性物質。
接着剤や塗料において、液状状態での粘度上昇や固体状態での剛性(弾性率)向上、収縮率の低下、着色、もしくは増量によるコスト低下などを目的として加えられることが多い。多くの場合、微粒子の無機物粉末が用いられる。代表的なものは珪藻土、炭酸カルシウム、クレー、マイカなどである。これらのほか、金属粉末、木粉などを用いる場合もあり、製品の補強を目的とする場合にはカーボンブラック、ホワイトカーボンなどのほか、ガラス繊維、ミドルファイバー、合成繊維なども用いられ、補強性充てん材(reinforcing filler)と呼ばれている。充てん材の作用は上記のほか電気特性の改善(マイカ、シリカ)、摩擦または摩耗特性の改善(グラファイト、二硫化モリブデン)、熱伝導性や電気伝導性の向上(銀、銅その他の金属粉末)、機械的強度の改善(ガラス繊維、合成および天然繊維、木粉、紙)、難燃性付与(無機質全般)などの広い範囲に及んでいる。
=フィラー、充てん剤
 
 

熟成|aging

養生
 
 

熟成時間|joint aging time; joint conditioning time; aging time; maturation time

接着直後から接着部の接着力が最高に達するまでの時間。
接着剤により被着体を接着する場合には、加熱や加圧をやめてから、ほぼ最高の接着力に達するまでの時間を指す。適切な熟成時間を設定することにより、最終物性が著しく向上する場合がある。これは、熟成時間の間に分子の拡散や緩やかな化学反応などが起き、バランスの取れた性能を発揮するためといわれる。
=ジョイントエージングタイム、ジョイントコンディショニングタイム
 
 

瞬間接着剤|instantaneous adhesive

短時間でかなりの接着強さを表す接着剤の通称。
主にシアノアクリレート系接着剤を指す。 
関連用語:シアノアクリレート系接着剤
 

常温硬化型接着剤|room temperature curing adhesive; cold setting adhesive; room temperature vulcanizing adhesive

加熱することなく室温で硬化あるいは加硫できる接着剤。
メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、反応形アクリル樹脂などのように室温硬化形の触媒を配合する場合、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などのように室温硬化形硬化剤を配合する場合、ウレタンプレポリマー、シリコーンRTV、シアノアクリレート系接着剤のように空気中の水分で硬化する場合、嫌気性接着剤、第二世代アクリルのように重合開始をうまくコントロールした接着剤などがある。
=室温硬化接着剤、自己硬化接着剤
 
 

衝撃接着強さ|impact strenghth; impact joint strength

接着面に衝撃応力を加え、接着接合部が破壊したときの強さ。
強靭さの尺度として衝撃強さをエネルギーで表す。静的試験における接着強さのほとんどが応力を基準としているため、単純な比較はできないことに注意する必要がある。試験方法はJIS K6855などに規定されている。
 
 

消泡剤|antifoaming agent; defoaming agent

ラテックスあるいは液体に加えて、泡の発生を防ぐか、またはすでに発生している泡を破壊する物質。
泡立ちの防止とすでに発生した泡の破壊では、消泡のメカニズムが異なるので注意が必要である。消泡剤は、例えば揮発性が小さく拡散力の大きい油状物質(高級アルコール、エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤、あるいはシリコーンオイルなどがある。
 
 

触媒|catalyst

化学反応の速度を増加させるが、それ自身は化学反応式の原系にも生成系にも現れないような物質。
触媒が反応物質系と同一相にあるとき均一系触媒、異相になっているとき不均一系触媒という。重合反応系を取り扱う場合には、重合を開始させる能力がある物質を重合触媒と呼ぶこともあるが、厳密には重合開始剤と呼ぶべきである。重合開始剤はそれ自身化学変化したり、重合系に組み込まれたりすることも多いが、これを触媒と呼びならわしている。 
関連用語:開始剤硬化剤
 
 

ショットブラスト|shot blasting

鋼粒ショット(先鋭なりょう(稜)角のない粒)を、圧縮空気その他の方法で表面に吹き付け、表面を清浄にすること。
塗装、ライニングする場合の表面処理の一つの方法。 
関連用語:ウェットブラストグリットブラストサンドブラストライニング表面処理
 
 

シーラー|sealer; sealing coat

塗装にあたって被塗布体(下地)の欠点や影響を防ぎ、仕上げを美しくするための下地塗料。
木材などでは導管や節による面の不均一もしくは木質による塗料の吸込の影響を防ぎ、コンクリートではアルカリの浸出、タールではタール分の浸出を防ぐために用いられる。
=シーリングコート、目止剤
 
 

シランカップリング剤|silane coupling agent

強化プラスチックや複合材料において、補強材であるガラス繊維などと結合用の樹脂との接着性を向上させるために用いられるクロム系、シラン系またはチタネート系のカップリング剤のうちシラン系の試薬のこと。
3種類のうちで最も広くもちいられているカップリング剤であり、加水分解後のシラノールが、補強材表面の水酸基と化学結合を作ると説明されている。
関連用語:カップリング剤
 
 

シリコーンRTV|silicone RTV

常温で硬化するシリコーンゴム。
RTVはroom temperature valcanizableの略である。未硬化状態では液体またはグリース状であり、空気中の湿気と反応して硬化する一液タイプと触媒の添加により硬化する二液タイプがある。一液タイプは分子末端に水と反応して脱離する官能基を有していて、脱離基の種類によって酢酸タイプ、オキシムタイプ、アルコールタイプに分類される。接着剤、シーリング材、型取り用途などに使用される。
 
 

シリコーンゴム|silicone rubber

シリコーンを適度に架橋したゴム状弾性体。
直鎖状の高分子量ポリシロキサン(生ゴム)を過酸化物により架橋する場合と、液状の低分子量ポリシロキサンの末端に反応性の基を導入し、その反応により架橋体を生成させる場合とがある。後者は室温で反応が進行するのでシリコーンRTVと呼ばれている。耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れるが、ゴムとしての強度は小さい。耐熱電気ケーブル、パッキンのガスケットなどのほか、航空機、自動車部品などにも使用されている。
=ケイ素ゴム
 
 

シーリング材|sealing compound; sealant

目地や間隙に充てんして水密、気密を目的として使用される材料。
建築分野以外でも、機械、電気、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、化学工業等において使用されている。油脂、アスファルト、合成ゴム、合成樹脂など多くの種類が存在する。近年では、カーテンウォール工法による建築物が多くなり、シーリング材の高性能化が求められ、変性シリコーン系、チオコール系などが多く使用されている。シーリング材のうち非弾性的なもの、あるいはコンクリートの継ぎ目の充てんに使用されるものはコーキング材と呼ばれる。 
=シーラント
関連用語:コーキング材
 
 

真空バッグ|vacuum bag

内部を減圧することによって、中に入れた堆積された被着材を圧着させる柔軟性のある袋。





 

「す」から始まる接着用語

水性接着剤|water borne adhesive

水を溶媒または分散媒とした接着剤。
有機溶剤を使用せず、反応系接着剤のような特別な機器をしようしなくても塗工加工が可能であり、使いやすさや安全性、環境負荷の面で優れている。水溶性と分散系があり、前者には水性ビニルウレタン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤などがある。後者は合成樹脂の分散系をエマルション形、ゴムの分散系をラテックス形と区別されている。
=水性系接着剤 
関連用語:エマルション形接着剤ラテックス接着剤
 
 

スカーフジョイント|scarf joint

接着面が互いに傾斜した二つの被着材の端面を接着接合する接合手法。
=そぎ継ぎ、削ぎ継ぎ
 
 

スプレッダ|glue spreader; spreader

接着剤あるいは塗料などのような液状材料の必要量を塗布する機械。
接着剤や塗料の粘度に応じて適切な塗布機がある。例えば能率よく平面物に塗布する機械にロールコーターがあり、ローラーによって一定の量の接着剤や塗料を被着体に転写し塗布することができる。その他にフローコーター、ナイフコーター、グラビアロールなどがある。
=塗布機、接着剤塗布機
 


スランプ|slump

不定形シーリング材を垂直面のジョイントに充てんしたとき、重力の作用によって垂れ下がること。
関連用語:ノンザグ
 
 

寸法効果|size effect

サイズによる影響。
接着接合では、接着した試験片の厚さや幅、接着面積などによって接着強さなどの性能が変化することを指す。





 

「せ」から始まる接着用語 

静電塗装|electrotatic coating; electrostatic painting

アースした被塗物を陽極とし、塗料微粒子に負電荷を与えて静電場内に飛散させ、電気的引力(クーロン力)によって帯電した微粒子の運動を制御し、効率よく被塗物に付着させ、塗膜を形成する方法。
塗料の損失が少なく自動化が容易であるが、電導性のない被塗物には補助的処置を講ずる必要がある。
 
 

積層成形|laminated molding

積層された材料を接着し、結合させて一体化する成形法。
生産された製品を積層品(laminate)と呼ぶ。この積層品は板状のとき積層板、管状のとき積層管、棒状のとき積層棒と区別する。積層成形に用いられる樹脂はフェノール系、メラミン系、エポキシ系、ポリイミド系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂の場合が多いが、熱可塑性樹脂が用いられることもある。積層される原料はガラス繊維、カーボン繊維、パルプまたは合成繊維などの紙状、不織布状もしくは布状のものに熱硬化性樹脂の初期縮合物を含浸させ用いることが多い。これらの含浸させた樹脂の硬化反応で水もしくは揮発物を生ずる場合には成形圧を高くしなければならず、水分や揮発物を生じない場合には低圧の成形が可能である。一般に成形圧50kgf/cm2以上の場合を高圧成形、それ以下の場合を低圧成形と呼んでいる。
 
 

接触角|contact angle

液滴が固体上にあって平衡状態にあるとき、両者の境界において液滴と固体面のなす角。
固体に対する液体のぬれやすさの尺度である。
関連用語:ぬれ
 
 

接着|adhesion

2つの面が接着剤を介して、化学的もしくは物理的な力またはその両者によって結合した状態。
 
 

接着剤|adhesive

物体の間を介在することによって物体を結合することのできる物質。
物体をはり合わせるために使用される。接着剤という用語は比較的新しいが、接着剤自体は紀元前から使用されている。にかわ(膠)、アカシア類の樹液、アスファルト、しっくい(漆喰)などは古代エジプトやメソポタミアなどですでに接着剤として使用されていた。グルー(glue)という語はもともと膠を指し、セメント(cement)という語はもともと水和反応により硬化する無機の接着剤を指していた。最近は、それらも含めてすべて接着剤(adhesive)と呼ばれる。接着剤に要求される性質は、(1)被着体に塗布する時点で液状であり、(2)被着体表面をぬらして広がり、(3)その後固化して適切な凝集力を発現でき、(4)被着体との界面の相互作用力が大きく、破壊に対して抵抗力を有している、ことなどである。接着剤は被着体の種類、接合物の使用条件、塗布条件、硬化条件、コストなど様々な要因を勘案して適切な選択をすることが重要である。接着剤の種類は極めて多く、溶液形、エマルション形など形態による分類、フェノール樹脂系、アクリル系、エポキシ系などの化学構造による分類、ゴム系、熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系など主成分の性質による分類などがある。
 
 

接着層|glue line; bond line

被着体に接着剤を塗布した場合の接着効果を持つ塗布面、あるいは接着剤で二つの被着体面をはり合わせた接着剤の層のこと。
接着層が肉眼的に認知できないほど薄い場合にはヘアーライン(hair line)とも呼ばれる。また、ボンドラインは接着剤と被着体の界面を意味することもある。
=グルーライン、ボンドライン
 
 

接着強さ|bond strength

接着接合物を破壊するのに必要な単位接着面積、あるいは単位長さ(幅)当たりの力。
一般的には、定められた形状の試験片を所定の温度、湿度のもとで破壊して測定する。引張り、引張せん断、圧縮せん断、割裂、剥離、衝撃、曲げなどの破壊様式があり、被着体の種類に応じて種々の試験方法がJISに規定されている。
=接着力、接着強度
 
 

接着破壊|adhesive failure; adhesion failure

界面破壊
 
 

セッティング|setting; set

接着工程で、接着された部材または製品が、移動その他普通の取り扱いに支障ない程度まで固化もしくは硬化し、接着強さが発現すること。
=セット
 
 

セット時間|setting time

接着工程で、接着部が移動その他の取り扱いに耐え、次の加工工程に移せるほど固化または硬化するまでの時間。
この時間は接着剤の組成のほか、接着作業時の温度や湿度の影響を受ける。
=セットタイム
関連用語:硬化時間
 
 

セラミックス接着剤|ceramics adhesive

無機化合物を主成分とする接着剤。
硬化機構により三種類に分類される。(1)水和形接着剤:水と混合することにより水和硬化する形のもので、セメント、セッコウなどがある。(2)溶融形接着剤:加熱溶融させる無機酸化物としてはPbO-B2O3系基本ガラスにSiO2、Al2O3、ZrOなどを加え軟化温度が300~500℃のものから、Al2O3、CaO、ZrO2などを主成分とする融点が1000~2000℃のものまである。(3)化学反応形接着剤:結合剤、硬化剤および骨剤から構成され、水分の揮散とともに加熱する化学反応を起こし硬化するもので、シリケート系接着剤、ホスフェート系接着剤、コロイダルシリカ系接着剤がある。
=セラミック接着剤
 
 

セルロース系接着剤|cellulose adhesive

主として硝酸セルロース(ニトロセルロース)を原料とした接着剤。
ニトロセルロースは古くから溶剤に溶かしたものをラッカーと呼び、木材、金属、皮革などの塗料として用いられてきたが、これに各種の樹脂、可塑剤などを加えて厚塗り用塗料が開発され、接着剤としての利用も行われるようになった。紙の接着に各種の水系の接着剤が利用されているが、紙への水の浸透を防ぐために、各種のセルロース誘導体が第三成分として利用されている。
 
 

せん断|shear

物体内において近接する平行な二面を、互いに反対方向に滑らせる外力(せん断力)を与えたときに生じる変化。
面積Aにせん断力Fが作用し、せん断変形が起こったとすると、せん断応力(shear stress)τはτ=F/Aで表される。
 
 

せん断接着強さ|longitudal shear strength; shear bond strength

接着剤層にせん断力がかかるように荷重を負荷して接着接合を破壊したときの単位接着面積当りの破壊荷重。
荷重の負荷方向によって引張せん断接着強さと圧縮せん断接着強さがあり、単純重ね合わせ接手(single lap joint)などを用い計測する。 
関連用語:重ね継手引張せん断接着強さ圧縮せん断接着強さ
 
 

線膨張率|coefficient of linearexpansion; coefficient of linear thermal expansion

温度変化に伴って固体の長さが変化する割合。
線膨張とは固体の長さが温度の上昇に伴って増加する現象をいい、高分子物質の線膨張はガラス転移温度以下の領域では主として占有体積(ファンデルワールス体積)の増加によって生じるが、ガラス転移温度以上の温度域ではこれに自由体積の増加が加わる。このためガラス転移温度以上の領域の線膨張は、それ以下の温度域に比べてかなり大きく、線膨張の屈曲点からガラス転移温度を決定することができる。等方性の物質では線膨張率は体積変化に関する体膨張率のほぼ1/3に等しいが、異方性の物質では方向によって変化する。
=線膨張係数
関連用語:残留応力





 

「そ」から始まる接着用語

層間剥離|delamination; interlaminar peeling

積層物の接着接合部が層間せん断力などによって破壊され、剥離が起きること。
結晶鉱物が破壊して平滑なへき開面を作る場合にも類似現象が観察されるが、この場合はへき開(cleavage)と呼ばれる。
=離層、層割れ
 
 

増強剤|fortifier

接着力および接着耐久性を増加・改良するため接着剤に添加する物質。
たとえばユリア樹脂接着剤は耐久性が低いが、それを改良するためにメラミン、レゾルシンの単体、あるいはメラミン樹脂またはレゾルシノール樹脂が添加される。
=増強材
関連用語:充てん材
 
 

増粘剤|thickening agent; thickner

他の性質を変えることなく液体の粘度を上げることができる物質。
接着剤に分散または溶解により配合することで粘度およびちょう度を調節でき、エマルションの安定性向上に寄与することもある。
関連用語:ちょう度
 
 

増量剤|extender

接着剤の性能を大きく変化させることなく量を増やすために配合する物質。
価格を安くすることを主な目的として加える。例えばユリア樹脂接着剤に添加される小麦粉などがある。添加物としては製品の物性をできるだけ低下させない無害物質であることが必要である。プラスチックコンパウンドでは、相溶性の可塑剤に加える安価な二次可塑剤という。また、油展ゴムに使用する石油系柔軟剤も増量剤と呼ばれる。その油の組成により、油展ゴムの性質は著しく変わる。現在、合成ゴムに用いられる油は、非汚染性のナフテン系と汚染性の芳香族系に大別できる。
=エクステンダー、増量材
関連用語:充てん材
 
 

促進剤|accelerator

硬化剤または触媒に作用してその活性度を高め、反応速度を増大させるが、自体は反応に作用しない添加剤。
その反応が重合による場合は重合促進剤、加硫による場合には加硫促進剤と呼ばれる。 
関連用語:加硫促進剤重合促進剤



 

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