語集

「ら行」の接着用語集

「ら行」一覧表

ライニング 離型剤   冷圧 老化
ラジカル重合 両面塗布   レジンA、B、C状態 老化防止剤
ラップジョイント     レゾルシノール樹脂接着剤  
ラテックス接着剤     劣化  
ラドキュア樹脂     レドックス重合  
      連鎖重合  
 

用語集

あ行か行さ行た行な行は行ま行や行ら行わ行
 

「ら」から始まる接着用語

ライニング|lining

金属、またはコンクリートの表面を保護するため、その表面に他の物質を比較的厚く被覆すること。
金属の場合、金属、無機物質などを溶射・焼付け・はり合わせなどで被覆する無機質ライニングと有機物質を流動浸漬・溶射・塗布・はり合わせなどで被覆する有機質ライニングがある。
 


ラジカル重合|radical polymerization

反応性の高いラジカル(遊離基)を成長種として様々なビニル化合物などほとんどの炭素-炭素二重結合の重合を可能にする一般的な重合法。
ラジカル発生剤を開始剤とするなどして重合が開始されると、生じたラジカル種にモノマーが反応して新たなラジカル種を生成し、反応が連続的に起こり高分子量のポリマーを生成する。ラジカル成長種の反応性は非常に高く、水やイオンとは反応せずビニル化合物の二重結合に速やかに反応して重合が進行するため、不純物を取り除く必要がなく水中でも重合する(懸濁重合、乳化重合)ほか、溶液重合も可能であり、工業的に広く用いられている。ラジカル重合を起こしやすい単量体には、ビニル形単量体のほかビニリデン形単量体があり、ビニレン形単量体、多置換エチレンではフッ素置換体をのぞいて極めて重合性に乏しい。またこれら単量体の反応性は置換基の極性と共鳴効果により大きく変化する。ラジカル重合は熱、光、放射線あるいは重合開始剤の作用によって起こり、開始剤には過酸化物(過酸化水素、過硫酸塩、過酸化ベンゾイルなど)や酸化剤と還元剤よりなるレドックス開始剤などがある。
関連用語:開始剤レドックス重合連鎖重合
 
 

ラップジョイント|lap joint

重ね継手
 
 

ラテックス接着剤|latex adhesive; latex type adhesive

天然ゴムまたは合成ゴムを水に乳化分散させた接着剤。
合成ゴム系としてはニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム系ラテックスなどがある。
=ラテックス形接着剤、ラテックス系接着剤
関連用語:エマルション形接着剤
 
 

ラドキュア樹脂|radiation curing resin

紫外線(UV)や電子線(EB)などの放射線を照射することで重合を開始し、硬化する樹脂。
硬化は非常に短時間で進行するので加熱炉を必要とせず、加熱に弱いプラスチック材料や紙への塗装などへの利用に適している。ラドキュア樹脂には、ラジカル反応により硬化するタイプとイオン反応により硬化するタイプに分けられる。ラジカル硬化の場合、電子線照射では容易に硬化反応開始ラジカルが発生するが、紫外線照射では光のエネルギーを吸収させるための光反応開始剤の添加が必要である。イオン重合は空気中でも円滑に進む利点がある。エポキシ樹脂、ビニルエーテルオリゴマーなどは空気中でもラドキュアを行うことができる。この際、紫外線や電子線の照射によりカチオンを発生するオニウム塩などを開始剤として添加して用いる。ラドキュア技術は、ドイツで1960年代後半に塗料用技術として実用化されたのが始まりであるが、現在では塗料以外にも、接着剤、インキ、エレクトロニクス用材料など幅広い分野に応用展開されている。
=放射線硬化樹脂、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂
関連用語:紫外線硬化型接着剤光硬化型接着剤





 

「り」から始まる接着用語

離型剤|mold release agent

プラスチック成型品が金型に付着するのを防止するために、金型内面に塗布するもの。
シリコーン樹脂、ポリピニアルコール、ステアリン酸塩類、パラフィン、種々のワックス類、フッ素樹脂などが用いられている。金型の離型に限定せず、物質の付着を阻止するような物質という場合に”release agent”や”abhesive”という語が使用されるが、適切な日本語訳はない。
 
 

両面塗布|double spread

被着体の両方の接着面に接着剤を塗布すること。
例えば木質材料生産において、集成材はラミナに片面塗布、合板は単板に両面塗布が行われ接着されている。
関連用語:片面塗布





   

「れ」から始まる接着用語

冷圧|cold pressing

接着剤の硬化時に加熱せず、常温での圧締のみで接着すること。
=コールドプレス
 
 

レジンA、B、C状態|resin A, B,C stage

熱硬化性樹脂の硬化の進行に伴う状態。
初期の状態をA状態、中間の状態をB状態、完全に硬化した三次元構造の樹脂をC状態という。
関連用語:A状態B状態C状態 
 
 

レゾルシノール樹脂接着剤|resorcinol resin adhesive

レゾルシノール(レゾルシンともいう)とホルムアルデヒドとの反応によって作られる樹脂を主体とする熱硬化性樹脂接着剤。
通常はレゾルシノール1molにホルマリン0。3~0。4molをアルカリ触媒によって反応させたレゾール形樹脂を用いる。パラホルムアルデヒドまたはヘキサメチレンテトラミンを硬化剤として添加し、常温硬化型の接着剤として使用する。低温~常温における反応性が大きく、耐水性、耐久性に優れている。集成材、木造船などの接着剤として用いられている。この水溶性樹脂を天然および合成ゴムのラテックス接着剤に混合し、ゴムとタイヤコードの接着にも多く用いられている。
=フェノールーホルムアルデヒド樹脂接着剤
 
 

劣化|deterioration; degradation

熱、光、放射線などによって物質の化学構造に好ましくない変化を起こすこと(degradation)、および特に物理的性質に永久的変化を生じて、材料としての品質、性能が低下すること(deterioration)。
関連用語:エージング安定剤
 
 

レドックス重合|redox polymerization

レドックス触媒を用いて低温で開始するビニル重合。
レドックス触媒とは、過酸化水素、過硫酸カリウム、クメンヒドロペルオキサイドなどの無機または有機の過酸化物系の開始剤と、還元作用を有する金属イオン、酸性亜硫酸ナトリウム、メルカプタンなどの還元剤を組み合わせたものをいい、酸化還元触媒(reduction-oxdation catalyst)とも呼ばれ、”redox"はそれぞれの接頭語に由来する。レドックス重合は、特に乳化重合でしばしば用いられる。レドックス開始剤による乳化重合の開始反応の活性化エネルギーは約10 kcal/mol程度で、過酸化物開始剤のみを用いる場合の活性化エネルギー約30 kcal/molよりも低く、そのため重合を比較的低温で行うことができ、連鎖反応、枝分かれ、橋かけなどの副反応を防止することができる。
=酸化還元重合
 
 

連鎖重合|chain polymerization

連鎖反応機構によって進行する重合反応。
ビニル形単量体の重合ならびに環状単量体の開環重合の一部にこの機構がみられ、1本の重合鎖が開始反応、成長反応、停止反応の素反応を経て生成される。連鎖てい伝体がラジカル種であるかイオン種であるかにより各素反応様式が異なる。反応系中に連鎖移動剤が共存しているときその移動剤が連鎖てい伝体となり、失活するまで連鎖重合は進行する。連鎖重合による重合度とその分布は、重合率または時間の依存性が少ないことが特徴的である。
関連用語:ラジカル重合





 

「ろ」から始まる接着用語

老化|aging

物質の性質、材料や装置の特性などが経時的に変化する現象。
特に、劣化に対応するような望ましくない変化を指すことが多く、性能の向上などの望ましい方向への変化は養生(熟成)と使うことが多い。プラスチックやゴム材料の老化は、材料の着色、き裂の発生、軟化あるいは脆化などの光学的、機械的もしくは電気的特性の低下として現れるが、これらの現象のほとんどは、熱、光、酸素、放射線などの作用によって生じる高分子の酸化分解や架橋反応などの化学変化に起因している。接着接合部の老化による性能低下には、接着剤、被着体それぞれの老化とともに、接合界面における機械的変形や水の浸入などが関係する。
関連用語:エージング養生劣化
 
 

老化防止剤|antioxidant

ゴムやプラスチック材料の老化を防止ないし遅延させるために添加する物質。
ゴム用の薬品は、老化の形により酸化防止剤、き裂防止剤、銅害防止剤などと分類されるが、明確な区別はない。高分子材料の老化現象は酸化に起因することが多いので、老化防止剤の大多数は酸化防止剤用作用を持つものであり、キノン類、芳香族アミノ類、フェノール類などが用いられている。
関連用語:酸化防止剤



 

トップページへ戻る