3. 物理的相互作用

 ファンデルワールス力は化学結合より弱く、分子と分子が原子の大きさレベルまで接近しないと十分に発揮されません。一般に、被着材の表面には原子よりもはるかに大きな凹凸があるため、被着材同士を押しつけてもどこかの場所で隙間ができ、双方の表面が原子レベルまで接近することは困難です。それを埋めるのが接着剤の役割です。
 液体の接着剤は小さな凹凸にも入り込み、被着材の表面を濡らしながら広がります。このとき、接着剤の分子と被着材の表面分子が極限まで接近するとファンデルワールス力が働きます。これが物理的相互作用による接着です。見方を変えると、強く接着させるためには、接着剤が被着材の表面で弾かれず十分に濡れ広がる必要があります。


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