2. 接着のしくみ

 塗布した液状接着剤が固化(硬化)して物と物が接着するしくみには様々な理論があります。その代表的なメカニズムとして「機械的結合」「物理的相互作用」「化学的相互作用」の3つの作用が知られています。
 機械的結合はアンカー効果または投錨効果と呼ばれます。被着材の表面は目に見えないミクロな凹凸があります。液状の接着剤がこれらの凹凸に入り混んで固まると、あたかも錨(イカリ)を降ろしたように引っかかります。
 また、物質を構成する分子と分子の間には分子間力という引力が働いています。分子間力のひとつにファンデルワールス力があり、接着剤の分子と被着材の分子が原子1つ分の大きさ程度まで接近すると有効に働きます。これを物理的相互作用といいます。
 一方、化学的相互作用には、接着剤と被着材の分子が化学反応して生まれる共有結合や、分子の持つ極性によって発生するプラスとマイナスの電荷が引き合うような静電引力、水素原子を仲立ちとして分子同士が引き合う水素結合などがあります。これらの要因が重なり合って接着の作用が生じると考えられています。

接着の基礎に戻る
 

トップページへ戻る